『「先延ばし」にしない技術』イ・ミンギュ

書評ノート

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いちばんやりたくな仕事、いちばん恐れている仕事のほとんどは、あなたが絶対にやらなくてはならないことだ。人生の幸福と不幸、成功・失敗は、そのような仕事を進んでやれるかどうかにかかっている。その際にもっとも助けになるのが、まさに実験精神だ。――『すべてが実験だと思えば人生は180度変わる』

「先延ばし」の話かと思いきや、意外と王道の自己啓発系の本でした。

「先延ばし」にしないことが成功への近道

すべては「先送り」でうまくいく』をご紹介したばかりで、全く真逆の内容の本を読んでみました。

とはいえ、テイストは全く違っていて、本書はどちらかというと、自己啓発本に近いです。成功するためには、具体的なアクションとモチベーションが必要で、そのためには何をするべきなのか、ということが主に書かれています。

各章で要約が載っていて、読みやすい本の構成になっているのが好印象でした。

▼目次・要約や著者情報は、楽天のページをご覧ください
「先延ばし」にしない技術

夢を見るだけでは逆効果

最近、別の本でも読んだのですが、無駄なポジティブシンキングは、逆に現実逃避に向かってしまって、逆効果のようですね。

バラ色の未来を「イメージ」してばかりいる人たちは、成功を手にする前に簡単に挫折してしまい、イメージの中に逃げ込む可能性が高い。(p26)

具体的にどうやるのか、を考えることが成功に近づくようです。

人生の成功を手にするには、目標を達成した場面をイメージする「ゴールの視覚化(Outcome-oriented Visualization)」よりも、目標までのルートを正しく捉える「プロセスの視覚化」の方が、ずっと重要なのだ。(p28)

目標を達成するために必要な2つの動機

目標を達成するには、ふたつの動機付けが必要だ。すなわち「スタート・モチベーション」と「持続モチベーション」。(p29)

実行力に優れた人たちは、楽観的な思考と悲観的な思考な考えを同時に持つことができるそうです。

両面思考を育てるには、以下の3つのプロセスがオススメです。

  1. 望むを手に入れた自分の姿を生き生きとイメージし、そこからどのようなメリットが得られるかを最大限に探し出す。
  2. 目標達成へのプロセスでぶつかる難問や突発的な事態を予想する。
  3. それらの問題に効果的に対処できる対策を立てる。

成功するためには何が必要か

一般的によく書かれていることですが。

望むものを手に入れたければ、すでにそれを持っている人たちの習慣を研究して、それをまねるのがいちばんの方法なのだ。(p30)

失敗する人の例が、なんか自分に当てはまっている気がしないでもないです。

成功する人は、解決すべき問題が何かを正確に知るために十分な時間をかけるが、失敗する人は、問題を正確に把握するより前に、むやみに解決しようとしてあくせくする。(p38)

やる気が出ないときは

日常的に「危機感」を作る、というのは必要なことだと感じています。

何かを望みながらもうまく実行できないでいる人たちには、数千通りの「実行できない理由」がある。だが、彼らに必要なことは、「それを実行すべきただひとつの切実な理由」だ。(p85)

飽きっぽい私には、定期的な締め切りが必要なのかもしれません。

やる気が出なかったり、強いプレッシャーを感じるときに使えるもっとも効果的な戦略としては、先のふたつのデッドラインからさらに「中間締め切り」を決めるといい。(p122)

助けてあげたときに気持ちのいい人の3つの特徴

  1. 助けを求める前にやってきた努力と実践のプロセスを知らせてくれる。
  2. 心から尊重する気持ちと謙遜の姿勢を人一倍強く示す。
  3. お返しを約束し、助けに対するフィードバックを提供し、感謝の気持ちを表す。

動かない相手を説得する3つのステップ

  1. 相手の身になって考えよう
  2. 臨界点を仮定するにすても、同じ方法を繰り返さないようにしよう
  3. 大義名分と理由を提供しよう

成功したければ、目標に集中すべし

「思考は現実化する」の話に似た内容です。

心理学者のリチャード・カールソンは、目標について考える時間と目標達成レベルに非常に密接な関係があることを、カウンセリングを通じて確認した。お金を稼ぐ方法について毎日1時間ずつ考える人は、2年後に本当に財産が目に見えて増えたというのだ。
韓国で初めて大学の正式科目として金持ち学口座を開設した韓東哲教授は、彼の著書でこう述べている。「金持ちは一日24時間のうち目を開けている約17時間を、金持ちになろうという『金持ちの視点』で生活している。ところがふつうの人は1時間くらいしか考えない」
サッカーからゴルフまで、すべての球技にはひとつの大原則がある。「球から目を離すな」ということだ。望むものがあれば、そこから目をそらしてはならない。 (p224)

目標達成力が低いかもしれないですね、私。

ある分野で頭角を現した人たちには、共通点がある。目標がはっきりしていて、寝ても覚めてもその目標から目をそらさないという点だ。(p227)

選択的注意集中は、日常的によく表れる現象ですよね。

ある目標に集中すると、人間の脳は目標と関連したものだけに強く反応し、それ以外の刺激を無視するようになるが、これを「選択的注意集中(Selective Attention)」という。(p228)

本書ではさらに、目標から目をそらさないための方法について述べています。

書評のまとめ・感想

自己啓発系王道のおさらい、といった内容でしょうか。自己啓発本を沢山読んだ人には物足りない内容かもしれません。一方で、あまり読んだことがない人にとっては、エッセンスがひと通り凝縮されている良書だと言えるでしょう。

コンパクトにまとまった1冊です。韓国で流行っている自己啓発書、という観点で、個人的には面白い1冊でした。『88万ウォン世代』を読んだあとだったので、印象的な内容です。

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