【悪い習慣を断ち切れ!】『習慣の力 The Power of Habit』チャールズ・デュヒッグ

書評ノート

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悪い習慣は完全に改められない。むしろ習慣を変えるには、前と同じきっかけで、前と同じ報酬を使いつつ、新しいルーチンを組み込むべきなのだ。きっかけと報酬がそのままなら、ほぼどんな行動も変えることができる――これこそがダンジーの鉄則だった。
――『習慣を変えるための鉄則』

新しい習慣を身につけ、悪い習慣を断ち切り、より良い人生を歩んでいきましょう。実践的な良書です。必読!

「私たちの生活はすべて、習慣の集まりにすぎない」

「英語の勉強が長続きしない」「部屋の掃除ができない」「ラーメン二郎が止まらない」などなど、悩むことがありますよね。いや、私のことです。

「習慣」を好循環に向けることができれば、きっと良い行動につながる、と思い、最近、習慣や意志についての本を最近読んでいます。

以前、『WILLPOWER 意志力の科学』をご紹介しましたが、ぜひセットで読みたい1冊が、この『習慣の力』です。

日々の悪い習慣を改善したいと思って、この本を手に取りました。習慣を「きっかけ」「ルーチン」「報酬」という3つの要素に分解して、改善していきます。

具体例も豊富で、研究結果もフォローしていて、効果が出そうな内容でした。

▼目次・要約や著者情報は、楽天のページをご覧ください
習慣の力

習慣が生まれる3つのループ

まず、本書の中心となる「習慣のループ」について押さえておきます。

脳の中で起こっているこのプロセスは、3段階のループだ。

第1段階は「きっかけ」で、これは脳を自動作業モードになるように、そしてどの習慣を使うかを伝える「引き金」である。

次が「ルーチン(きっかけに反応して起こる慣例的な行動や思考)」で、これは身体的なものだったり、脳や感情に関わるものだったりする。

そして最後が「報酬」で、これはある具体的なループを、将来のために記憶に残すかどうか、脳が判断する役に立つ。(p41)

習慣は、「きっかけ」「ルーチン」「報酬」がひとつの循環になっているわけですね。

時間がたつにつれ、この「きっかけ→ルーチン→報酬」というループは、どんどん無意識に起こるようになる。きっかけと報酬が相互につながると、強力な期待や欲求が生まれる。やがて、そこに一つの習慣が生まれる。(p41)

ここでのポイントは、報酬→きっかけ、の部分です。期待や欲求が生まれることで、習慣が根付いていきます。

新しい習慣が生まれる過程はこうだ。きっかけとルーチンと報酬が結びつき、その後、欲求が生まれてループを作動させる。(p81)

習慣のループを把握するだけではなく、「期待」することが習慣を長続きさせます。

その後の無数の研究によって、きっかけと報酬そのものには新しい習慣を長続きさせる力はないとわかった。脳が報酬を期待するようになって初めて、つまりエンドルフィンや達成感を求めるようになって初めて、毎朝、ジョギングシューズの紐を無意識のうちに結ぶようになるのだ。(p84)

ジョギングシューズの紐、というのは、ジョギングの習慣のことです。

習慣のループは、なぜ重要なのか

習慣は無意識の行動です。それゆえ、習慣のループ構造を理解することが、習慣を変えることにつながります。

習慣のループが発見されたことがなぜそれほど重要なのかといえば、それが基本的な真実――ひとたび習慣ができると、脳が意思決定にまったく参加しなくなるという事実――を明らかにしているからだ。脳は熱心に働くのをやめ、他の作業に気を移す。自分で習慣にさからったり、新しいルーチンを見つけたりしない限り、無意識のうちにその行動パターンが現れるのだ。

つまり、習慣の仕組み、習慣のループ構造を理解するだけで、行動をコントロールするのが楽になる。習慣を部品に分ければ、さまざまな形で検討することが可能だ。(p43)

習慣を変えるには

ここからが本題といえるでしょう。自分の習慣を変えるにはどうしたらいいのでしょう?

習慣は3段階のループ(きっかけ、ルーチン、報酬)だが、ダンジーは2番目のルーチンだけを改造しようとしていた。最初と最後には慣れたものがあったほうが、新しい行動を受け入れやすいのは経験からわかっていた。彼の指導戦略はある原則を実行するものだった。それは、研究につぐ研究で明らかになった、習慣を変えるための鉄則であり、変化を起こすための最強の手段の一つである。(p99)

「ルーチン」がポイントです。

古い習慣を変えるには、古い欲求に取り組む必要がある。きっかけと報酬は変えずに、新しいルーチンを組み込むことによって、欲求を満たさなければならないのだ。(p111)

つまり、

  • きっかけ→そのまま
  • ルーチン→変える!
  • 報酬→そのまま

こうするのが、一番習慣を変えるにはスムーズな方法のようです。さらに、習慣を変えるには、「信じること」と「グループに参加すること」が成功への近道とのことです。

「信じること」そのものが差を生むのだ。いったん何かを信じることを覚えると、その能力が人生の他の部分にまで影響を及ぼし、自分が変われると信じ始める。(p131)

以下の一文に、習慣を変えるポイントが集約されています。

習慣を変えたければ、代わりのルーチンを見つけること。そしてグループの一員として変わることに専念すれば、成功率は劇的に上昇する。信じることは必須条件で、コミュニティ内での経験から生まれる。たとえ、それがたった2人のコミュニティであっても同じだ。(p142)

本書では、個人だけではなく、企業や消費者の習慣についても述べています。その章も、かなり面白いので、ぜひ本書をご覧ください。

「大半の企業が慎重な意思決定にもとづいて合理的な選択をしているように見えるかもしれないが、実際はそうではない」ということだ。

むしろ、企業は長年続いてきた組織内習慣によって導かれている。数千人の従業員それぞれの決定から生まれたパターンだ。そしてこの習慣の影響力がどれほど大きいか、それまで誰も理解していなかった。(p255)

変化の枠組み:4つのステップ

行動が習慣化されるためには、以下の4つのステップを通じて実行に移すといいようです。これで、悪い習慣が変えられるかもしれません!

  1. ルーチンを特定する
  2. 報酬を変えてみる
  3. きっかけを見つける
  4. 計画を立てる

ステップ1:ルーチンを特定する

自分の習慣を理解するためには、「きっかけ→ルーチン→報酬」のループに何が当てはまるのかを特定する必要があります。

ループがわかれば、前述したように、「ルーチン」を変える、というができます。

ルーチンは、行動です。まずはルーチンを特定することから始めましょう。

ステップ2:報酬を変えてみる

どんな欲求が特定の習慣を引き起こすのかを突き止めるためには、報酬を変えてみるといいそうです。

四つか五つの違った報酬を試せば、パターンを見つけ出すためのおなじみの方法が使える。毎日デスクに戻ったあとで、最初に浮かんだ3つのことを紙に書き留めるのだ。感情でもいいし、とりとめのない考えでもいいし、いま何を感じているかでもかまわないし、頭に浮かんだ言葉三つでもいい。(p371)

ステップ3:きっかけを見つける

きっかけを見つけるためには、事前にチェックしておくべき項目があります。

事前にチェックすべき行動のカテゴリーを決め、そこに決まったパターンがないか細かく観察する。幸いこの点に関しては、いくつかの指針がある。習慣を始めさせるきっかけはほぼすべて、次の五つのカテゴリーのどれかにあてはまることが実験で明らかにされている。(p376)

5つのカテゴリーは以下のとおりです。

  • 場所
  • 時間
  • 心理状態
  • 自分以外の人物
  • 直前の行動

ステップ4:計画を立てる

ルーチンがしっかりわかったら、次は実際に変えるアクションが必要ですね。それには計画をたてる、ことが重要なようです。

習慣とは脳が反射的に従っている機械的行動なのだ。「きっかけ」を見たら「ルーチン」を行い「報酬」を得る。

この公式をつくり替えるためには、もう一度、選ぶことから始めなければならない。そうするのに一番簡単な方法は、計画を立てることだ。心理学ではこうした計画を「実行意図」と呼んでいる。(p379)

いかがでしょうか。自分の行動を振り返り分析し、習慣を特定することができれば、あとはうまくいきそうですよね。

いくつかの習慣を実際に取り上げて、実践してみたいと思います。

書評のまとめ・感想

本書は一貫して「きっかけ、ルーチン、報酬」のループについて書かれています。

読んだだけでは、「ルーチンって、自分にとってはなんだろう」と思ったりしそうなものですが、著者の実体験も含め、内容が具体的です。

そのため、自分の事例に落とし込めるので、実践に移しやすいです。

しばらくは、いくつかの習慣を根づかせることに集中したいと思います。うまくいった暁には、またブログで報告しますね。

ふと考えると、こうやってブログを定期的に書くのも、ひとつの習慣ですよね。

次に読みたい関連書籍 & オススメ書籍

「習慣の力」とセットで読むと、きっと役に立つのが「WILLPOWER 意志力の科学」です。「習慣の力」を読んでみて面白かったら、ぜひ、読んでみてください。

「習慣」という意味では、この本も役に立つかもしれません。

しばらく「習慣の力」を手元において、悪習を断ち切りたいと思います。がんばろう。

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