リクルート『お月謝くん』のサービス概要と狙いを探る
リクルートが『お月謝くん』という習い事やスクールの支払いを一括で管理するシステム・サービスを発表しました。概要を見つつ、リクルートの狙いについて考えていきたいと思います。
オンライン月謝袋『お月謝くん』
ふと思い出してみると、幼い頃に通っていた塾は、月謝袋に現金を入れて渡していたような気がします。小さい子どもの私が、手に持って。
そんな手間をWebとクレジットカードを利用して解決しようというのが、リクルートの「ケイコとマナブ」で開始するサービス『お月謝くん』ですね。
『お月謝くん』とは
ざっくり言うと、『お月謝くん』は、「小さいスクールでも、生徒がクレジットカードで支払うことができるようにする」サービスです。
生徒は、会員登録とクレジットカードの登録。スクール側は、登録された生徒の情報を管理。
双方にメリットがあるサービスなんですね。
■生徒側
- 現金で支払わずに、自動的に支払えるので、楽チン
- クレジットカードの支払いでポイントが貯められる
■スクール側
- 入金確認の手間から解放される
- 事務作業が大幅に減る
公共料金をクレジットカードで支払うのを思い出すと、『お月謝くん』のサービスがイメージしやすいと思います。
『お月謝くん』は何が優れているのか。
習いごと・スクールって、個人単位だったり、小さい規模だったりしますよね。
小さいスクールが、クレジットカードで決済できるようにするのは、結構大変なことです。費用も手間もかかりますしね。
そんな多くのスクールを対象にしたサービスが、『お月謝くん』。
ようするに、決済代行サービスですね。
リクルートがスケールメリットをだして、一括でまとめてやすますよ、という話です。手数料も低く設定できる。
生徒側も、小さいスクールよりも、リクルートが責任を持ってくれた方が、安心ですよね。
さらに詳しい情報は、プレスリリースをご覧ください。丁寧に紹介されています。
問題です。『お月謝くん』の狙いは?
リリースで『お月謝くん』のサービスが発表されてから、リクルートが、『お月謝くん』をやるメリットはなんだろうか、と考えていました。
結論から言うと、「よくわかりません」。でも、ちょっとだけ推測。
みなさんも、ぜひ、いっしょに考えてみてください。
まず、サービスの収入は、各スクールの決済手数料から、クレジットカード会社へ実際に支払う手数料の差額ですよね。
- 決済金額の3.95%
リクルートの取り分が何%なのか知りませんが、1~2%程度ですかね。
膨大な数のスクール相手に決済代行をすれば、それなりの売上規模になってくるのでしょうか?初期投資、ランニングコストも問題なし?
浮き沈みの少ない、安定的な収入にはなるような気がしますが、手間に見合うのかが、よくわかりません。
『お月謝くん』のビジネスモデルって、これだけ?違うような気がします。
「ホットペッパービューティー」のビジネスモデル?
「ホットペッパービューティー」が成功した要因のひとつが、「salon board」の存在です。
小さい美容院では、なかなか導入しずらい顧客管理システムを無料で提供しました。広告掲載が条件だったと思いますが。
「ホットペッパービューティー」でうまくいった『システムを押さえて囲い込む』という方法を、スクールに応用しようとしたのでしょうか。
そんなことを考えてみたのですが、あんまりメリットがありませんよね、
囲い込んでも、長期的に考えて、施策が打ちにくそうです。
うーん。
「リクルートポイント」会員を増やしたい
で、実際、『お月謝くん』のホームページにアクセスしてみました。
https://www.ogesshakun.net/cs/mmfExplain/
ここで、ひとつ疑問が解消。
『お月謝くん』を利用するには、リクルートポイント会員になる必要があります。
あー、なるほどな、と。
最近、リクルートがリクルートポイント会員の拡大に、非常に力を入れて取り組んでいます。以前、ブログでいくつか書きました。
たとえば、マルクレルは、会員登録しないとサイトに入れません。どのブランドが、どんな商品を販売しているのかが、わからないんですよね。
『お月謝くん』は、1つ1つの金額・売上は少ないものの。利用者数ベースで見れば、将来的には、かなりの規模になりそうです。
「ケイコとマナブ」の集客力で、スクール側が積極的に『お月謝くん』を導入すれば、リクルートポイント会員は増えそうですよね。
どこかのタイミングで、「リクルートカードで払えばポイントプレゼント」といったキャンペーン展開も考えられます。
でも、まだ狙いが十分に理解できていない気がします。芯を外しているというか・・・。
「語学、学習塾、パソコン教室」はなぜ対象外なのか
プレスリリースを読んでいて、一番わからなかったが、『お月謝くん』の対象範囲。
※語学、学習塾、パソコン教室等に準ずるレッスンを行っているスクールではお月謝くんをご利用いただくことができません。(ご利用には審査が必要です)
ご利用例:お料理教室・音楽教室・ヨガ教室・スポーツジムなど
なんで、「語学、学習塾、パソコン教室」が対象外なんでしょう?
全然、わからない・・・。
「語学、学習塾、パソコン教室」は、基本的にスクール規模が大きいから、『お月謝くん』を使わず、自分たちでやれよってことなんでしょうか。
となると、『決済額の3.95%』が破格ってこと?
コストぎりぎりで会員拡大のために、『お月謝くん』を始めるのか?
それも違うような気がします。なんだろう。
結論としては、やっぱりよくわからん
ようするに、私の経験値だと、もう全然わからんっていう話です。
この辺の分野に詳しい方に、ぜひ解説してほしいです。時間が経てば、色々情報が出てきて、理解できる日がくるのかもしれません。
わからないなりに、自分で色々考えてみる、っていうのも面白いので、今回は良しとしましょう。
新しい情報が手に入ったら、随時更新していきますね!
正解は、全然違うところにある気がしてなりません。気になる・・・。
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