『マネジメントとは何か 』スティーブン P. ロビンズ

書評ノート

Pocket

リーダーの地位に就く人が選ぶときには、経験を重視しすぎないよう注意することだ。経験それ自体からは、有能さをそれほど予測することはできない。候補者にリーダーの経験が十年あるからといって、その経験を新しい状況に活かせるという保障はない。重要な点は、これまでの経験の質と、リーダーが直面する新しい状況との関連性だ。
――『経験がものを言わないこともある』

マネジメントについて、エッセンスが凝縮された濃厚な1冊です!

マネジメントについて学べる良書

難しい内容ではなく、非常に実践的で知っておいて損はないコンテンツが豊富な1冊です。

原題が「The truth about managing people and nothing but the truth」です。マネジメントの中でも、特に人材に焦点を当てています。

人を活かすマネジメントについて、網羅的にまとまっている良書です。

▼目次・要約や著者情報は、楽天のページをご覧ください。
マネジメントとは何か

モチベーション・業績・環境について

従業員にモチベーションが欠けているとき、たいてい次の五つの要素のどれかに問題がある。すなわち人材の選考過程、あいまいな目標設定、業績評価システム、組織の報酬システム、そして従業員に評価や報酬のシステムを正しく理解させる能力がマネジャーにないことである。(p50)

モチベーションって、永遠の課題ですよね。

要約すれば、多くの従業員がやる気を出さないのは、努力と業績の関係、業績と報酬の関係、実際に受け取る報酬と本当にほしい報酬の関係、という三つの関係性のいずれか、あるいは全部が弱いと認識しているからだ。(p52)

これはちょっと納得な感じの内容です。

仕事での成功は、サポート資源の有無によって促されたり妨げられたりするということだ。従業のモチベーションがどんなに高くても、それを支える職場環境がなければ業績は上がらない。(p79)

職場環境が悪いと、確かに仕事が非効率だと思います。

ジェネレーションYについて

かなり長い記述になりますが、私もたぶんジェネレーションY世代なはずで、おもしろい内容だったのでご紹介します。

ジェネレーションYを特徴づけるのは、わが子を見守り、自尊心をもたせることにいそしんできた「ヘリコプター・ペアレント」だ。

こういう親は競争に価値を置かず、勝者と敗者を作ってはならないと信じてきた。みんなが参加賞をもらうべきだ、というわけだ。

ジェネレーションYは、チームでの仕事を好み、しょっちゅう業績フィードバックをしてもらいたがり、テクノロジーをなんなく使いこなす。いくつものタスクを同時にこなし、新しいことを学ぶ意欲が強い。また、キャリアには野心的だが、非現実的である傾向もある。何かをしてもらって当然という意識や、認められたいという欲求が強いことが多い。

常にコーチングやメンタリングをしてくれる上司を求め、給料や福利厚生よりも職場の雰囲気を優先する。

ジェネレーションYには継続的にフィードバックをし、明確な指示を与え、チームによる協働を基本として職務を設計し、新しい技能を習得する機会ができるように職務の範囲を広げるべきだ。(p67)

納得の部分もあれば、そうでもない部分もありますが、ひとつの世代の捉え方としては、おもしろい分析です。

信頼関係を築くには

  1. オープンであること
  2. 公平であること
  3. 気持ちを伝えること
  4. 真実を告げること
  5. 一貫性を示すこと
  6. 約束を守ること
  7. 密を守ること

能動的な聞き方の効果的なスキル

  1. アイコンタクトを取る
  2. 同意する場合はうなずき、適切な表情を見せる
  3. 集中を妨げる行動やしぐさは避ける
  4. 質問をする
  5. 言い換える
  6. 話し手を遮らない
  7. 話しすぎない
  8. 話し手と聞き手の入れ替わりをスムーズにする

チームワークについて

まずまずの業績から最高レベルの業績へと成長した29社(株の累積利益が、15年間の株式市場全体の平均の三倍以上)の研究では、強烈な自我を持つカリスマ的リーダーシップは見当たらなかった。これらの企業のリーダーは非常に野心的で情熱的だったが、彼らの野心は自分より会社に向けられていた。素晴らしい業績を挙げていたいが、大げさに成果を喧伝することはなかった。失敗や不振の責任は自分が引き受け、成功は他の人たちの功績にしていた。自我の欲求を自分ではなく、最高の組織を築くことに向けていた。(p109)

カリスマが企業の業績に直接結び付くわけではない、ということですね。

男性は自分の地位を強調するために話をしがちだが、女性はたいていつながりを作るために会話をするのだ。この違いはマネジャーにとって実に厄介な問題になる。(p1369

別に区別しているつもりはありませんが、男女で多少接し方を変える必要がある場面は、実際問題出てきますよね。

チームが効率よく機能するには、三種類のスキルを持つメンバーが必要だ。
まず、専門知識・技術を持つ人。次に、問題解決および意思決定のスキルを持つ人。最後に、話を聞く、フィードバックする、対立を解消するなどの対人スキルに優れた人だ。(p151)

チームの構成員は、ホントに重要だと思います。一人の影響で、ダメなチームになることだってありますしね。

書評のまとめ・感想

「マネジメントとは何か」というタイトルだと、ちょっと難しい内容を想像してしまいますが、コンテンツが整理されていて、事例も豊富なので、読みやすい1冊です。

人のマネジメントという、なかなか正解のないスキルですが、まずは、この1冊の内容を押さえておくのはいかがでしょうか。

ちょうど色々試行錯誤して、悩んでいた時期だったので、ピッタリの本でした!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

【仕事術】『自分「プレゼン」術』藤原和博

ぼくの意図は「本を漂流させてください」ということでした。そして、ロンドンとパリに2年半暮らして、96

記事を読む

岡田斗司夫の名著『ぼくたちの洗脳社会』が無料で読める!

農業時代の人々は、狩猟時代を振り返って、「いつ飢え死にするかも分からない、野蛮な世界」と語りました。

記事を読む

【戦略論の第一人者】『良い戦略、悪い戦略』リチャード・P・メルト

リーダーが戦略実行に使える強力な手段の一つは、近い目標を定めることである。近い目標とは、手の届く距離

記事を読む

『パパラギ』はじめて文明を見た南海の酋長ツイアビの演説集 | ツイアビ

そう、おまえは誕生のときにさえお金を払わねばならず、おまえが死ぬときも、ただ死んだというだけで、おま

記事を読む

【一度は読みたい】『サラリーマン漫画の戦後史』真実一郎

サラリーマンには2種類しか存在しない。『宮本から君へ』が大好きなサラリーマンと、『宮本から君へ』が大

記事を読む

【アマゾン倉庫の実態】『潜入ルポ アマゾン・ドット・コム』横田増生

「僕のベゾスに対する第一印象は、童心を持ったビジネスマンというものだ。何回か話をするうちに、既成概念

記事を読む

【高校野球名監督】『逆境を生き抜く力』我喜屋優

「野球の試合は9回で終わるが、人生のスコアボードは一生つづく。お前たちはその長い長いスコアボードで、

記事を読む

村上春樹的マーケティング活動 ~『1Q84』と『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』に関する戯言~

4月12日に、いよいよ村上春樹の新刊『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』が発売されますね!

記事を読む

no image

【名著復刊!】『新訳 成功の心理学』人生の勝者に生まれ変わる10の方法 デニス・ウェイトリー

真の”勝利”とは、ただ自分の持っている能力を、自分なりにとことん追求することを意味するのだ。”勝利”

記事を読む

『記憶力発想力が驚くほど高まるマインドマップノート術』ウィルアム・リード

マインドマップはこの脳内で行われていること、つまり思考プロセスそのものがあうとぷっとされた形だと言え

記事を読む

 
  • 名前:いろはに(@irohani_123

    30代のサラリーマンです。のんびりとした日々を送っています。書評、英語、気になったニュース等をアップしていきます!

    >>詳細プロフィール
    >>お問い合わせ先




PAGE TOP ↑