【爽やかな青春小説】『県庁おもてなし課』有川浩

書評ノート

Pocket

「なぁ、いつか多紀ちゃんって呼んでいい?」
「いつかって、いつですか?」
「……もうちょっと俺がカッコよくなったら」
せめてもう少しあがいてから。
俺が憧れるあの人たちに、もっと恥ずかしくないようになってから。
「待ってますから、急いでください」
舞い上がるような気持ちを随分久しぶりに味わった。――

県庁おもてなし課 (角川文庫)

甘酸っぱい青春と、心躍るふるさと愛!読んでいて、心地が良い小説です。

物語が元気にする、町、人、恋。

ストーリーも面白いし、登場人物たちの恋愛(?)模様も気になる!爽やかな気持ちになる、素敵な青春小説です。

発売してすぐの頃、本屋さんで「県庁おもてなし課」を見かけました。

表紙のデザインと、帯のキャッチコピーが良くて、ハードカバーなのに、思わず買っちゃったんですよね。

物語が元気にする、町、人、恋。ふるさとに恋する観光小説!

最初の但し書きも、いいです。

この物語はフィクションです。
しかし、高知県庁におもてなし課は実在します。

文庫本発売、そして映画化。このタイミングで、ぜひ読んでみましょう!すっごくオススメです。舞台の高知にも、思わず行きたくなります。

春や秋、いい天気で、暑くもなく寒くもない心地の良い気候。そんなときに感じる気持ちよさってありますよね。まさにこの小説を読んだときも、そんな「気持よさ」いっぱいになります。

爽やかな恋!ニヤニヤが止まらない

Amazonの内容紹介をまずはご紹介します。

とある県庁に生まれた新部署「おもてなし課」。若手職員・掛水は、地方振興企画の手始めに、人気作家に観光特使を依頼するが、しかし……!? お役所仕事と民間感覚の狭間で揺れる掛水の奮闘が始まった!

主人公の掛水史貴クンが、苦悩しながら奮闘する青春小説です。ヒロインが、明神多紀ちゃん。この記事の最初に書いた抜粋は、その二人の会話です。ほかにも・・・

三つも年上の男の人、かわいいとか思ってしまうじゃないですか。――とはとても言えない。(p114)

あなたみたいな人が近くに来て、コンビだと思ってた女の子がその人の肩ばかり持っていたら、僻まない男のほうが珍しいと思うんですけど。(p192)

「明神さん」
「何ですか?」
「俺ら、これからも宿題いっぱいあると思うけど、頑張ろうな」
多紀は余韻を聞くように一呼吸空けて、それから「はい」と力強く答えた。(p270)

甘酸っぱい。ニヤニヤしちゃういますよ、読んでると。有川浩さんは、こういうの書くのが上手いですよね。

観光小説としても面白い

お役所体制への批判、観光資源の活かし方、小説としても面白いですが、色々と勉強になるところもあります。

失礼ですけど、県庁の人には県庁の驕りがあると思います。(p93)

「そして県にはこれといって打つ手がない。手を打とうとしているかどうかさえ県民には疑問に思われているフシがある。何となくこのままじゃまずいなと思いながら、公務員という保証された身分で会議を踊らせてるだけじゃないのかって、俺だってそっちにいたら疑う」(p144)

「客商売で一番の肝は水回りだよ。宿なんかもそうだけどさ、部屋がボロでも『うらぶれた風情』とかで押し通せる。でもこれでトイレや風呂が汚かったらアウト。逆に水回りさえ清潔だったら人間大抵のことは許せるもんだよ」(p256)

日本の観光地も、まだまだ沢山の素晴らしい観光地があるんだろうな!って可能性を感じる小説です。

「県庁おもてなし課」が面白かったら、次は「レインツリーの国」を!

「県庁おもてなし課」を読んでみて、小説の雰囲気が良かったら、ぜひ次は、「レインツリーの国」を読んでみてください。

私は、「レインツリーの国」がすっごく好きで、有川浩さんの作品を読むきっかけとなった小説です。

ひとつだけ注意点があります。「絶対に事前にあらすじを読まないでください」

清涼感満載の青春小説です!オススメ!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

【仕事術】『自分「プレゼン」術』藤原和博

ぼくの意図は「本を漂流させてください」ということでした。そして、ロンドンとパリに2年半暮らして、96

記事を読む

【ハフィントン・ポスト創設者】『誰が中流を殺すのか』アメリカが第三世界に堕ちる日 – アリアナ・ハフィントン

「アメリカ人の5人に1人が失業中か不完全雇用の状態にある。9世帯に1世帯がクレジットカードの最低支払

記事を読む

【悪い習慣を断ち切れ!】『習慣の力 The Power of Habit』チャールズ・デュヒッグ

悪い習慣は完全に改められない。むしろ習慣を変えるには、前と同じきっかけで、前と同じ報酬を使いつつ、新

記事を読む

【法人を設立して節税!】『貧乏はお金持ち』橘玲

「格差社会」でもっとも得をしたのか誰か?IT長者やヒルズ族の名が筆頭に挙がるのだろうが、彼らはもとも

記事を読む

【頭がよくなる!】『スマート・シンキング』記憶の質を高め、必要なときにとり出す思考の技術:アート・マークマン

本書のおもな目的は、より賢く、より実践的な思考を得るためのツールを読者に授けることだ。私がこのツール

記事を読む

【問題本】『ユニクロ帝国の光と影』横田増生

「ユニクロの店長だったときは、毎日15、16時間は働いていましたね。それが何年もつづいていたので、肉

記事を読む

no image

【保存版】半沢直樹最終回!ファンが次に見るべきオススメ作品を紹介します!

半沢直樹の最終回も終わり、名残惜しい方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな方必見!半沢直樹ファ

記事を読む

『仕事漂流』就職氷河期世代の「働き方」稲泉連

「10年続けたらヒラから主任、係長、課長になっていくのですが、やっている仕事は変わらない。マネージャ

記事を読む

【掴み取れ!】『チャンスを逃さない技術』勝負どころで「動ける人」に変わる:ヘルマン・シェーラー

正しい道とはなんだろう?その問いに対する1つめの答えは「君が今いるその道でいい。そのまままっすぐ行き

記事を読む

[書評] 『社畜のススメ』~社畜度診断つき!~藤本篤志

「社畜見習い中!」というブログを始めたからには、書評の1冊目は、『社畜のススメ』にしようと思っていま

記事を読む

 
  • 名前:いろはに(@irohani_123

    30代のサラリーマンです。のんびりとした日々を送っています。書評、英語、気になったニュース等をアップしていきます!

    >>詳細プロフィール
    >>お問い合わせ先




PAGE TOP ↑