【痛快!!】『30代こそ「奴隷」から抜けだそう!』「世間の空気」に流されず、「自由」に生きるための25の習慣~鈴木進介
「キミはいろいろと勉強してマッキンゼー風の言葉遣いで提案書を持ってくるけど、何を言いたいのかサッパリわからない。凡人がエリート連中のマネをしたって意味がないんだよ。俺はキミの勉強成果を聞きたいのではない。あくまでもキミ独自の見解でアドバイスして欲しいだけなのだ」
――「マッキンゼー」の奴隷から抜け出す
今の時代に必要な、地に足ついた良書だと思います!これは、いいぞぉぉ。でも、きっと賛否両論?
30代とありますが、むしろ新入社員の方も、ぜひ読んでみてください。
今の時代に求められる「生き方」
私は、この本を読んでいて、非常にしっくりきました。日頃から感じている違和感をバシバシと斬ってくれています。
「キャリアアップ」「ノマドワーカー」「効率化」「英会話」「SNSの活用」「貯金」……。多くの人がやっていることを正しいと思い込み、同じことをやることで安心感を得ようとします。
でも、僕には、これらが不安を解消する根本的解決になっているようには見えません。なぜなら、それは社会の空気に乗っているだけで、「自分の人生」を生きていないからです。
あえて言わせてください。
社会の空気に乗っているだけの人は、「社会の奴隷」です!(p2)
他にも、「マッキンゼー」「MBA」「副業」などなど・・・気になる25の習慣について、触れられています。
アマゾンの目次に、25項目全部が載っていますので、気になった方は、ぜひチェックしてみてください! きっと、気になる項目がひとつは見つかると思います。
▼アマゾンのページ▼
30代こそ「奴隷」から抜け出そう!
『30代こそ「奴隷」から抜け出そう!』を読んで欲しい人が、私の身近に随分いる気がします。
スキルアップ、ライフハック、仕事術…そんな本が書店で溢れかえる昨今。そんな時代だからこそ、本質を思い出させてくれる本が必要なのではないでしょうか!
おすすめです。でも、読んでいて、胸にグサグサくる人もいると思いますので、ご注意を。私は、「ビジネス書」の項目でグサグサと・・・。
今回は、私が気になったいくつかの習慣について、ご紹介していきたいと思います。
「生き方」「働き方」「仕事」「勉強」「人間関係」「お金」という6つの分野で”あなたらしさ”を問いかけ、奴隷から抜け出すためのヒントと具体的な実践法を提示していきます。
「もっと自由に、もっと自分らしく」生きるための方法を考えていきましょう。(p6)
本書全体的に語られているのは、「仕事の目的を考えて、努力の方向を間違えるな、成果を出せ」ということかな、と個人的には思いました。
目次
記事が長くなってしまったので、最初に目次を載せておきますね。気になったところだけでも、ぜひご覧ください。
- 「できる人」の奴隷から抜け出す
- 「市場価値」の奴隷から抜け出す
- 「ノマドワーカー」の奴隷から抜け出す
- 「英会話」の奴隷から抜け出す
- 「ビジネス書」の奴隷から抜け出す
- 「金持ち父さん」の奴隷から抜け出す
- 「貯金」の奴隷から抜け出す
- まとめと感想
「できる人」の奴隷から抜け出す
これ、1つめの習慣なんですけどね、
「できる人の~」という本を片っ端から読み漁り…(中略)…TOEICを勉強し始め…(中略)…「日経ビジネスアソシエ」「THE21」は手放せません。(p16)
あれ、なんか心当たりありそう?なんて思って。
最近は、「日経ビジネスアソシエ」や「THE21」の煽り気味のタイトルに食傷気味だったんですよね。全然手に取らなくなりました(文房具特集以外。文房具萌えです)。
で、気になってほかのところもパラパラ読み、ついつい本書を買っちゃったんですよね。
「できる人」とは、ずばり「成果を出せる人」です。
メディアでクローズアップされるような経歴やノウハウなどの武器を持っていることが「できる人」ではありません。あくまで結果を出した人だけが「できる人」なのです。(p21)
成果を出してナンボ、ですよね。当たり前なんですけどね。うん。
「市場価値」の奴隷から抜け出す
彼は「勉強もいいけど、もっと泥臭く顧客に張り付いて数字を上げろ」と上司から常に発破をかけられています。
それでも、市場価値を上げることがすべてと盲信している彼にこの言葉は届かず、今は暇さえあればTOEICの点数を上げる勉強にお熱のようです。
専門性が高く、一見すると市場価値が高いように見えるのですが、同僚からは単なる「専門バカ」と思われたり、時には能力の高さがやっかみにもつながっているようです。(p36)
半分くらいは悪くないと思うんですけどね。ただ、仕事で結果を出せないと、厳しい限りです。
「ノマドワーカー」の奴隷から抜け出す
ノマドワーカー自体には、ほとんど興味ないのですが、ブログをご覧の方には、関心をお持ちの方もいると思いますので、軽く抜粋します。
結果を出す人間は、どんな環境でも自由にふるまえるようになる。「働き方」は手段であって目的ではない。
ノマドワーカーの成功者として注目されている人はそもそも普通の人ではありません。すでにある分野で専門性を持つ人や凡人に比べて華々しい経歴がある人が多いのです。(p75)
「ノマドと社畜」でも語られていることですね。
自由に憧れる前に、何の後ろ盾もない中でサバイバルしていける突出したスキルや人脈があなたにはありますか?
目の前の仕事で圧倒的な成果を出していますか?
ノマドワーカーに憧れる前にやるべきこと。それは一つでもいいので、圧倒的なスキルを身につけ、目の前の仕事で成果を出すことです。(p79)
ノマドワーカーって、普通に考えて厳しい世界ですよね。
「英会話」の奴隷から抜け出す
このブログのテーマのひとつでもある「英語」について。
メジャーリーガーを例に出して、
英会話の前に目の前の試合で実績を出したからこそ、海外からのチームからも声がかかるわけです。(p143)
という、非常にわかりやすい具体例で説明しています。
あと、同感だなぁと感じたのは、
「自分はどんな生き方や働き方をしたいのか」「その中で英語をどう位置づけるのか」という「あり方」を先に頭に描きましょう。そして、「本当に今、英語の勉強が最優先事項なのかどうか」の判断をしてみてください。
磨くべきは、英語力ではなく、目の前の仕事に対して、自分の強みを活かしたせいかと実績なのです。(p146)
英語が必要ない、とは言っておらず、仕事よりも英語を優先させてしまったら、本末転倒でしょ、というスタンスだと思います。ホントその通りですよね。
ただ、英語ができないと回ってこない業務もありますので、その辺は、自分の環境をみて、判断するべきところでしょう。
「ビジネス書」の奴隷から抜け出す
ビジネス書からたくさん情報を仕入れて、知識レベルを高めている姿勢にはすばらしいものがあります。
でも、情報をたくさん持っている、知識がたくさんあるというだけで、仕事で成果が出せるほど、世の中は甘くないのです。
僕には、ビジネス書をたくさん読んでも仕事の成果につながらない人が「ビジネス書の奴隷」に見えます。(p169)
グサグサきますわー。「仕事術」的な本をあまり読まなくなったので、私も多少は進歩しているのでしょうか・・・。
この辺の話題については、『ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない)』という本が、相当おもしろいので、おすすめです。
ビジネス書の活用方法については、
本を閉じた後、「いいね!」と思った箇所を3つ抜き出してみましょう。
そして、その3つに対して、明日からどう行動につなげるか、行動事項と日付を書き込んでいきます。
書き込んだら、あとは仕事の現場で実践するだけです。(p171)
とのこと。私も、一時期、こんなことやっていました。
「ビジネス書」というか、そもそも読書って、止められない止まらないから、活用方法をちゃんと考えていく必要があるのかもしれませんね。私は、完全に活字中毒です。
「金持ち父さん」の奴隷から抜け出す
本来触れるつもりはなかったのですが、あまりにもバッサリ斬っているのが面白かったので、その部分だけご紹介します。
未だに、これまでで感銘を受けた本と聞かれて『金持ち父さん 貧乏父さん」を挙げる人が多いです。しかし、たくさんの”勘違い野郎”を生み出してしまったことも事実です。(p223)
この章で取り上げられていた「なぜ、勉強しても出世できないのか?」が、ちょっと気になります。今度読んでみます。
「貯金」の奴隷から抜け出す
貯金を「頑張る人」を、5つのタイプに分類しています。みなさんは、どれかに当てはまりますか?
(1)「いつかのために」型……保険的な意味合いの貯金
(2)「手元にないと不安」型……精神安定剤としての貯金
(3)「これだけ貯まった」型……ゲームとしての貯金
(4)「嫁に認めて欲しい」型……嫁を満足させるための貯金
(5)「この年齢になれば」型……世間体としての貯金この5つのタイプに共通することはわかりますか?
たしいた目的がないのに、貯金しているということです。
自分の生活を切り詰めたり、本当にやりたいことを我慢しているわけですから、「自分らしさ」を消してしまっているのと同じです。(p231)
奥さんにちょっと読ませたいです、ここだけ抜き出して。ええ。金銭感覚の違いって難しいですよねぇ。ええ。
著者の言いたいことは、貯金をするな、ということではなくて、過度に貯金して必要な投資もできないようだったら本末転倒ですよ、ということです。
目的なき過度な貯金は害悪とさえ感じます。貯金とは、目的ではなく手段のはずです。
目的なき貯金をしていても、その先に得るものがなければ、その間に貯金することによって、得られるものをたくさん犠牲にしているからです。(p233)
ここも奥さんに…(以下略)
『貧乏人が激怒する 新しいお金の常識』の著者が、「WNC発想」でお金を使えと説いているそうです。
(W) お金が貯まらない人は、「欲しいもの(WANT)」にお金を使う。
(N) お金が貯まる人は、「必要なもの(NEED)」にお金を使う。
(C) お金が増える人は、「変化を起こすもの(CHANGE)」にお金を使う。(p236)
「浪費・消費・投資」にわけて、なるべく「投資」に回しましょう、というのは、よく言われていることですね。これはある程度意識しています。
「WNC発想」では、「変化を起こすもの」としてる点が、面白いなと思いました。
まとめ
ずいぶん気合いを入れて、長々とご紹介してきました『30代こそ「奴隷」から抜け出そう!』。
ここでは載せきれなかった数々のおもしろい話は、ぜひ本書を手にとって、ご覧ください。ブログで紹介できたのは、ほんの一部です。
もう3~4回くらい読みました(ブログを書くため、というのもありますが)。
近くの書店で購入したのですが、実は、まだ発売日前らしいです。正式には、5月9日発売!予約受付中のようです。良書とはいえ、すぐに売り切れになったりはしないと思いますが・・・。
大きな書店には、もう置いてあるようなので、一足先に読みたい方は、書店に足を運んだ方がよさそうです。
「すばらしい」という感想と、「ふざけるな」という感想、みなさんがどっちに転ぶかわかりませんが、読み応えのある本だと思いますので、ぜひ読んでみてください。
実は「当たり前」のことが書いてあると思うんですが、その「当たり前」を見失いがちなご時世ですので、本書を読むと、気の迷いが晴れるというか、今何をすべきなのかを冷静に振り返るきっかけになると思います。
久々に力を入れて書いてしまって、長くなってしまいました。では、この辺で!
個人的には面白かったのですが、みなさんはいかがでしょうか?ぜひ感想・意見を聞かせてください!
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